トヨウラのシンクの特長・シンクのお手入れ

プレスシンクとハンドメイドシンク

シンクには「プレスシンク」「ハンドメイドシンク」の2つの制作方法があります。

プレスシンクは金型を用いて生産します。ひとつのシンクを生産するのに多くの種類の金型を必要とするため、大量生産を前提とするのがプレスシンクです。トヨウラは大手システムキッチンメーカーにもOEMでプレスシンクを供給していますが、それは各メーカーの厳しい品質管理基準をクリアできる技術と管理体制を持っていることの証でもあります。

ハンドメイドシンクは一枚のステンレス板をレーザーでカットし、ベンダーで曲げ、立体的な形を作ってから溶接・研磨して仕上げるハンドメイドのシンクです。お好みのサイズでの制作や特殊な形状、あるいはよりシャープなデザインなど、お客様の様々なニーズにお応えすることができます。さらにヘアライン/バイブレーション/ブラストといった表面仕上げを選ぶことも可能です。


アンダーシンクとオーバーシンク

シンクは設置方法により「アンダーシンク」「オーバーシンク」に分かれます。

アンダーシンクはワークトップ開口の下から固定するタイプのシンクです。ステンレスワークトップとシンクの間に段差がないため、一体感あるフラットな見た目とお手入れのしやすさが特徴です。トヨウラのシンクはアンダーシンクが標準の仕様となっています。

オーバーシンクはワークトップに開けられた穴に上からはめ込むタイプのシンクです。木材やタイルなど様々な素材のワークトップに対応が可能です。


ステンレスの表面仕上げ

トヨウラの製品に採用されている様々な表面仕上げをご紹介します。

  • ヘアライン(HL)

    研磨ベルトで一方向に磨きヘア状の模様を付けたもので、一般的な仕上げの一つです。

  • バイブレーション(VB)

    無方向に波状の研磨模様を付けたもので、落ち着いた雰囲気を持つ仕上げです。

  • ブラスト(BL)

    表面に固い粒子を噴射し付けたもので、マットで優しい質感を持っています。

  • ブライトアニール(BA)

    光沢感を維持しながら加工しやすい状態にしたもので、鏡面仕上げの母材にも使われます。

  • エンボス(EB)

    凸凹の浮き出し模様が付いた仕上げ。水玉や梨地柄など模様の種類も様々です。

  • No.4

    目の細かい研磨ベルトで磨いた光沢を持つ仕上げです、厨房機器などにも多く使われます。

  • No.9

    常に目の細かい研磨ベルトで磨き光沢を抑えた、しっとりと高級感のある仕上げです。

  • 2B

    なめらかでやや光沢があります。市販されているステンレス製品に最も多い仕上げです。


シンク部位の名称

「ステージ」と「リブ」はいずれもシンク内に付いている突起を指します。ステージはシンク上段、リブはシンク中段に位置し、まな板や水切りプレートなどの様々なオプション品を置くことができます。
「水栓デッキ」は水栓を設置するためのスペース、「ポケット」はスポンジや洗剤を置くための段差です。
「フランジ」はシンク周りのフチの部分を指します。


シンクの仕様と加工

シンクの仕様については標準で装備されているものとオプションでの対応となるものがあります。防滴キャップは標準仕様となっています。静音仕様は一部の製品でオプション、水栓を設置するための加工やオーバーフロー加工についてはオプションで承ります。

  • 防滴キャップ【標準仕様】

    結露を防止するため、防滴キャップ(ポリエチレン製のカバー)がシンクの裏側に取り付けられています。

  • 静音仕様【一部オプション】

    シンクの裏側にゴムと薄いステンレスを組み合わせた制振材を貼ることで、水を流した時に響く音を低減することができます。制振材を貼った上に防滴キャップをかぶせるため、見た目が損なわれることはありません。
    ※ハンドメイドシンク、プレミアムシンク、ノーブルシンクは標準仕様

  • 水洗穴加工【オプション】

    水栓デッキが設置されているシンクには水栓穴を開けることができます。ご希望に応じて図面に記載されている標準仕様以外のサイズや位置で開口することも可能です。

  • オーバーフロー加工
    【オプション】

    シンクに溜めた水があふれ出るのを防ぐ、オーバーフローの穴あけ加工もオプションで承ります。開口位置はシンクの形状により変わります。
    ※一部加工不可の製品もございますので、品番の記載をご確認ください。


ステンレスの性質と種類

ステンレスは鉄にクロムやニッケルを混ぜた合金です。高い強度・耐食性を持つことに加えて、耐熱性・加工性・意匠性にも優れています。ステンレスが錆びに強いのは、クロムが酸素と結合し表面に不動態皮膜を生成するため。この不動態皮膜はごく薄いものですが、とても強靭で、一度壊れても周囲に酸素があれば自動的に再生する性質を持っています。

逆に酸素が遮断された状態で放置すると錆びてしまうため、異種金属の付着には注意が必要です。またアルカリ系漂白剤、塩素系洗剤、ヌメリ取り防止剤など洗浄薬液も錆びの原因となることがあります。ステンレスは、合金の比率や熱処理などの違いでいくつかの種類があります。トヨウラのシンクは耐食性、加工性、溶接性に優れた「オーステナイト系」のSUS304が標準となりますが、一部製品にはSUS430および高温環境下で腐食しにくい「フェライト系」のNSSC180が採用されています。詳細はお問合せください。


シンクのお手入れについて

日常的なお手入れは、汚れがこびりつかないうちに台所用洗剤を付けたスポンジで洗います。
こびりついてしまった汚れはスポンジにステンレス用クレンザー又はクリームクレンザーを付け、研磨面に沿って軽くこすって洗い流してください。濡れたままにしておくと表面のくもりや水垢の原因になるため、いずれの場合も水で流した後は空拭きして水滴をしっかり拭き取ることが大切です。

金属製のたわしは傷が付くため絶対に使わないでください。
またもらい錆びの原因になることがある包丁、空き缶などやステンレス腐食の原因になる塩分は放置しないようにご注意ください。

アルカリ系漂白剤や塩素系洗浄剤などのヌメリ取り剤、また布巾の殺菌に使う塩素系漂白剤は発生する塩素ガスがシンクの錆びの原因になってしまうことがあります。漂白剤や洗浄剤は非塩素系のものをおすすめします。